発症について ①
私が統合失調症と診断されたのは、大学2年生の頃でした。
初め、主治医となる先生は、私を統合失調症だとは思っていなかったようでした。
「顔つきに統合失調症特有の強張りがないね。」というようなことを仰いました。
今思えば、プレコックス感のことだと思います。
そのため私自身も、付き添いに来ていた保護者も、統合失調症ではないんだと思いました。
しかし数種類の心理検査を受け、その結果や点数が明らかになると、先生は「典型的な統合失調症だね。」と仰いました。
検査を受ける前と打って変わって、深刻な表情でこちらを見るので、私も一気に緊張しました。
実はこうしてはっきり診断されるより前にも、統合失調症の疑いをもたれたことがありました。
それは摂食障害で体重が減少し、精神科にかかった時でした。
身内に統合失調症がいることから、遺伝により統合失調症が発症するところなのではないかと指摘されたのです。
統合失調症の前駆症状として、拒食はよくあると説明していただきました。
そして何であったか思い出せませんが、薬を処方されました。
私は精神科で処方される類いの薬に抵抗感があり、結局飲むことも再来することもありませんでした。
話を戻します。
その頃、私に自覚はありませんでした。
自分はそんな大それた病気なんだろうかと疑問に思っていました。
ストーカーがいるとか、誰もいないのに悪口を言われるとか、そういった症状がなかったのです。
「統合失調症」という病名を聞いて思い浮かぶのは、被害妄想や幻聴といった陽性症状ではないでしょうか?
少なくとも当時の私はそうでした。
したがって、「統合失調症らしくないのに。診断は正しいんだろうか?」と思ったのです。
いまいち釈然としないまま、通院しました。
通院を拒否すると、「治療に非協力的」の烙印を押されてしまうと考えたからです。
治療に協力的な態度を見せなければ、主治医の先生と保護者からの信頼を失います。
「症状が強すぎて、コミュニケーションが適切にとれない」
「症状が強すぎて、認知が歪んでいる」
このように思われてしまえば、私自身が何か意見したい時に取り合ってもらえなくなると考えました。
続きます。
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